ごあいさつ

理事長

外国人技能実習機構理事長の大谷晃大です。

外国人技能実習制度は、開発途上国等の経済や産業の発展を担う人材にOJTでわが国の技能、技術、知識を学んでもらい、帰国後、これらを活かして活躍していただく「人づくり」に協力することを目的として平成5年に創設され、現在、20を超える国や地域から来日した約40万人の技能実習生が全国で実習中であるなど、わが国の国際貢献に重要な役割を果たしています。

しかし、当初は同制度を直接規律する法律がなく、同制度の趣旨を理解しない者が、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保策として同制度を悪用し、その結果、技能実習生が低賃金で酷使されるなど、労働関係法令の違反や人権侵害を生じるに至りました。

そこで、これを改善して制度の趣旨に沿った運用の確保を図るため、平成28年秋の臨時国会において、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が制定され、平成29年11月1日に施行されました。当機構は、この法律に基づく認可法人として、主務大臣である法務大臣と厚生労働大臣から、新たな制度の運営における中核的な役割を委ねられました。

具体的には、新たに設けられた監理団体の許可制度、実習実施者の届出制度及び実習実施者が技能実習生ごとに、かつ技能実習の段階ごとに作成する技能実習計画の認定制度に関し、技能実習計画の認定、実習実施者・監理団体へ報告を求め実地に検査する事務、実習実施者の届出の受理、監理団体の許可に関する調査等を行うとともに、技能実習生に対する保護や支援を強化するための母国語相談や援助等の業務を行うことです。このため、当機構では、これらの許可と認定に係る業務及び実地検査などの監査業務において厳正を期すとともに、保護や支援を必要とする技能実習生の声に積極的に向き合っています。

また、技能実習法は、法令違反がなく、技能評価試験の合格や指導・相談体制等において優れた監理団体や実習実施者に対して、技能実習生の受入れ枠の拡大を認めるほか、より高度な技能実習を可能とする「技能実習3号」を創設し、所定の技能評価試験に合格した技能実習生の最長実習期間を現行の3年から5年に伸長するなどの拡充策も盛り込んでいます。

当機構では、こうした措置を含めて、制度についての正しい理解の周知・啓発と的確な指導・助言に努め、技能実習制度がより適切に活用されるよう取り組んでいます。

このように、当機構は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護という重要な役割と責務を果たすべく、新たな技能実習制度の各般の施策において、法務省や厚生労働省はもとより、幅広い関係行政機関等と連携し、円滑な事業運営に向け、役職員が一丸となって活動しています。皆様方の一層のご理解、ご協力のほどをお願い申し上げます。

外国人技能実習機構 理事長 大 谷 晃 大